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夜鷺:声を聞かせて

かみしん



 萬燈の唇から漏れる熱っぽい吐息が、比鷺の首筋にあたると同時に、舌が上へと舐めあげてきた。そして耳に辿り着いた肉質の器官が、比鷺の外耳を辿るようにねぶる。
「ひぅ!」
 濡れた音に浸食される衝撃に身を竦ませた比鷺が、下半身を開かれていたことに気付いたときには、もう狙いが定められていた。
「挿れるぞ」
 宣言と共に、大きな質量がずんと真正面から侵入してくる。広げられた両足の間にいる萬燈が、最後まで挿入し終える。三十秒ほど互いの呼吸が整うのを待ってから、比鷺の両手をしっかりと握りしめ動き始めた。
「……っ、ふ、……は、……んん!」
 極力声を出さないように、比鷺は唇を噛み締めている。萬燈との行為はこれで数度目になるが、快楽に溶けた声を聞かれたくはなくて、いつもこうしてしまう。
「おい」
 掛けられた声に、ぼんやりと視線を遣ると、萬燈が少し不機嫌そうな顔で比鷺を見下ろしていた。何か、失敗をしてしまっただろうか。焦る比鷺が思わず口を開いた瞬間、腰が突かれる。
「んああ!」
 近付いてくる萬燈が、下唇をゆっくりと舐めてから、舌を絡ませるキスをしてくる。そこではじめて、比鷺は自分がいつの間にか血を流していたことに気が付いた。
「……声を、出せ」
 至近距離で、噛んで含めるように言う萬燈は、さながら獰猛な肉食獣の様を呈していた。
「で、でも……あぁん!」
「でもじゃない。お前の声が聞きたい」
「だって、へん、ふぁ、おれぇ」
「変なわけがあるか」
 かわいい、と耳元で囁かれた直後、激しく揺さぶられることになり、比鷺は否応なしに啼かされる羽目になった。何を言ったのか、言わされたのかも定かですらない。ただ萬燈にしがみつかされ、まるで男に演奏される楽器になったかのようだった。


 翌日、目が覚めた比鷺は、酷使された腰と喉に痛みをを感じることになった。だが、その元凶はさも愛おしげに比鷺を見つめている。痛みと視線から昨夜のことを思い出し、段々と恥ずかしくなってきた比鷺は、ぷいと横を向いて機嫌が悪いんだからね、とアピールをすることにした。それが照れ隠しなことを、間違いなく萬燈は気付いいるだろうけど!

2021/07/18 03:31
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