シラートを観た⚠️ネタバレあり

シラートを見た。

天国と地獄の間にかかっている橋を"シラート"と呼ぶ。そこは髪の毛のように細く、剣のように鋭い。

・タイトルにもなっている"シラート"の説明から映画は始まる。(上のやつはうろ覚えで書いたから実際の文言とはちょっと違うかも)
・映画のあらすじは、「5か月前から連絡が途絶えている娘を探しに、父親とその息子がレイヴパーティー(レイヴという音楽ジャンルのフェスみたいなもの?)にやってくる。そのパーティーで娘を見つけることは叶わなかったが、参加者から「砂漠でもレイヴパーティーをやっている」という情報を掴み、父親はその参加者たちとともに過酷な砂漠への旅を開始する」。
・あらすじを書いたが、正直この映画にストーリーらしいものはない気がする。(この点でこの映画を批判している人もいた)。
・出てくるキャラクターの背景とかは、特に説明もないのでうっすら察する程度。娘となぜ連絡が途絶えたのか(父親と確執があるのか)、主役である父親と娘の関係もマジでなんも説明ないので、前半は感情移入ができず、いまいち映画に乗り切れない自分がいた。
・父親と息子、そして旅をともにするレイヴパーティーの参加者たちとの交流には心温まるシーンも多々あるから、この人たちとの関わり合いでの父親、または息子の成長がこの映画のストーリーなのかな?と見てる途中は思ってた。
・あと犬がすっごくかわいい。今まで見てきた映画の犬の中でも、抜群にかわいい。これはガチ。
・だけど、この映画のタイトルは…その…"シラート"なのである…。
・物語中盤、一行は砂漠を進む軍隊を見つける。不穏なものを感じた一行は、軍に目を付けられないよう山間を進んで行くことになる。途中参加者の車のタイヤが溝?みたいなものにはまるというハプニングもあったが、みんなで協力して車を救出する。喜び合う一行。
・しかしその瞬間、後ろに止めてあった父親の車が坂道を滑り落ち、車の中で待機していた息子と犬は谷底に落下してしまった。
・↑ここ、マジでビビった。あ、これそういう話なん?
・結構、本当に突然のことだったから、しばらく言葉を失ってしまった。
・落ちた車がどうなったかは見せてくれないんだけど、「ぺしゃんこ」「息子の死体を見た」と参加者たちから明言されるから、ガチで息子と犬は死んじゃったらしい。そんな…。
・どうすることもできず、泣き叫ぶ父親を車に乗せて、先を進める参加者たち。この参加者たちも皆優しくていい奴らなんすよ…。
・半ば無理矢理付いてきた父親と息子を露骨に邪険にすることなく、何かと助けてくれて…。みんな社会の爪弾きものって感じの風貌なんですね。ドラッグもやってるし。あと男性では義足の人や、腕を失っている人もいる。おそらく元軍人なんでしょう。だけど、みんな優しい。特に息子に対しては。
・そんな人たちだから息子を失って茫然自失になっている父親に対しても見捨てたりしない。そんな義理ないはずなのに…。そして息子を失ったことを皆悲しんでくれます。いい奴らだ…。
・山を越えたあと、砂漠に移動した一行は、慰めのため、父親にドラッグ(おそらく大麻?なのかな?)を飲ませ、スピーカーでレイヴをかけ皆でトリップします。
・ここら辺は一種の儀式みたいな感じを受けた。なにか宗教的な話のオマージュなのかな?と思う。
・そして一人が「もっと音量を上げろ!」的なことを叫んだ瞬間、地雷が爆発します。
・え??(二回目)
・しかも地雷の音がでかくて怖い。マジで怖くてビビる。
・もちろん参加者は死亡し、その死体に駆け寄ったもう一人の参加者も同様に地雷で爆死します。そんな~…。
・そこで皆、ここが地雷原だったことに気づき、立ち尽くします。
・そして、やっと私も「この状況こそが"シラート"なんだ」とようやく気づきました…。
・地雷原を抜けて、すぐそこの岩肌まで移動しようと父親が言います。岩に地雷を設置することはできないからと。つまり「地雷原から岩肌」までの道のりが、"シラート"なんですね。髪の毛より細く(どこに地雷が埋まってるかわかんないですからね)、剣のように鋭い(これはまんま地雷のことですね)。
・"シラート"って何かの隠喩(娘は行方不明で、息子を失ってしまった父親のこれからの人生とか)じゃなくて、本当にきわめて現実的で過酷な今この状況のことを言ってるんですね、この映画は。
・2台ある車を使用して、地雷のない道を探し出そうとしますが、どちらの車も地雷で大破。
・絶望する一行でしたが、この時突然父親が歩き始めます。焦って止める参加者たちの声も聞かず、父親は死ぬことなく岩肌にたどり着きます。
・その光景に充てられてか、父親の足跡をたどって歩いた参加者の一人はまたしても地雷で爆死。
・残る参加者は二人。「どうやって行ったのか」と問うと父親は「わからない。ただ無心で歩いた」と答えます。
・こここそが、何か宗教的な下敷きのあるシーンなのかな?とも思いました。突然歩き始めた父親は何かの啓示を受けたように見えるし、無心 = 解脱した的な(この作品はイスラム教を下敷きにしたものらしいですが)
・そして父親に従い、参加者二人も怯えながら足を進めると、地雷は爆破することなく無事に父親のもとにたどりつくことができた。
・最後は難民たちが多く乗る列車の上に乗ったキャラクターたちを映して終わり。これからこの三人がどこに行くのか、というか娘のことは???とか観客のいろんな気持ちをおいて映画は終わりました。


・終わんなよ!!!!こんな気持ちでどうしろってんだよ!!!
・結局主要登場人物の半分以上が死亡して終わりました。そんなの知らなかったよ…。しかも何回もいうけど、キャラクターがみんないい奴というか、死んですっきりするような嫌な奴がいないから、一人死ぬたびにしっかりダメージを受けた。犬も死ぬし…。(犬死ぬなよ…)
・ただ映画を見終えた直後はあんまりの衝撃にぼうっとしてたけど、劇場を出たところにこの映画の批評の記事が展示されててそこに「これはきわめて現実的な映画」みたいなことが書かれてて、それを読んですっごくへこんだ。
・そうだよな。この世界には困難に対面している人たちがたくさんいて、実際に地雷はいろんなところに未だに埋まってて、それで死んでしまう人もいて、戦争の生で体の一部を失った人もいて…。この映画で起こってることは、たぶん本当にこの世界で起こりえることなんだよな…、となってしまった。
・作中で義足の人が歌を歌ってくれるシーンがあるんだけど、そこで「戦争になんか行きたくない」って歌うんですよ…。
・そ、そうだよな~~~~~!行きたくないよな~~~!!!
・この映画が何を伝えたいのかとかはあんまわかんないんですけど、でも「戦争反対!!!」っていう気持ちは強く思いました。
・それはそうとして、ちょっとダメージが大きすぎるんで二度と見たくないかもです。夜怖くて眠れんかったもん。

2026/06/16 16:58
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